第九幕 鮮血乱舞

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優side 異常事態に気付いた俺は、琴葉の教室に急いでいた。まさかこういう展開は予想外だった。 魔術師にとって、魔術は秘匿にするもの。故に罠は放課後だと思っていたが、意外だった。 「ちっ、フツノっ!!」 カオスの紡いだ結界は強力だが、フツノを止めるには力不足だ。 あれを止めるには、神を抑えるレベル、この土地の封印並みの結界が必要だ。即興の結界にはそこまでの力はない。 やがて俺の手にフツノが現れる。 『どうやら仕掛けてきたようだな。』 「最低最悪のタイミングでな。まずは琴葉を助けて・・・」 言いかけて、止めた。 こっちにも客が来たようだ。それも、質の悪い最低な客だ。 『主っ!!』 「分かってる。どうやら琴葉救出は難しくなったようだな。」 そして、そいつは俺の前に立ちふさがる。おそらく、最低最悪のライバル。 「開幕直後に鮮血乱舞、有象無象の散りゆく様は、この世の何より儚くて、故に何より美しい。」 「・・・昔、そんな曲が流行っていたな。興味がないからタイトルは覚えてないけど・・・」 「それは残念だ。」 カオスの手には一本の剣。コイツの名にもある魔性の剣。 『フランベルジュ』 独特な刃の形をした剣だ。 俺もフツノを構える。おそらく本気で戦えば何とかなる。いや、何とかする。 「いくぞ、混沌の魔術師。」 「引導を渡そう、黒の魔術師。」 今、二つの刃がぶつかり合う。
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