第九幕 鮮血乱舞

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琴葉side 注意深く周囲を見回し、用心しながら廊下を進んでいく。誰もいない。 目指すは優くんの教室、おそらく優くんも動き出していると思うけど、目的なく歩き回るよりはマシだろう。 (私には、戦えないしね。) 外と連絡が取れれば、ダリアさんを呼ぶ事も出来るだろうけど、携帯は使えない。 今の私には優くんと合流する以外に、生き延びる術はない。 (・・・ん?) 今、何かおかしな音を聞いた。 何というか、石に何かをこすりつけるような、耳障りな音だ。どこから・・・ 大抵こういう展開だと、天井や壁に化け物が張り付いているとかそんな展開だ。いやいや、これは現在の出来事だ。まさかそんな・・・ 淡い期待を込めて天井を見上げると・・・ こういう時は、予想って外れないよね♪ 壁に刀を突き刺しながら、一人の男が私を睨んでいる。 男は刀にぶら下がり、まるで時代劇の忍者のようだった。しかしその目に理性は感じない。 ゆっくりと、男が降り立った。手に握られた刀が妖しく光っている。 あぁ、これは距離が近すぎる。 死んだかな? 「諦めるのは、カッコ悪いと思うよ?」 背後から、乾いた音が響いた。
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