第九幕 鮮血乱舞

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優side 二つの銀色が走る。 フランベルジュと布津御魂、二つの刃が何度もぶつかり合う中で、俺達は勝利に至る道を探した。 「我は赤き力の線を編む・・・」 「血よ、たぎれ・・・」 互いの詠唱、一度カオスを距離を開き、そこから・・・ 「血刃よ、切り裂けっ!!」 カオスが得意とする魔術は、血を媒介にしたものだ。相変わらずの悪趣味・・・ 放たれた血刃に狙いを定めて・・・ 「爆ぜよっ!!」 全て弾き飛ばす。こっちの得意とする魔術は『熱』、周囲の熱を操作して爆発を起こす。 元からこっちの手の内なんて知っている相手なんだ、遠慮なんてしない。 更に空間を加熱、あまりの熱に像が歪んでいく。その中を疾走、一閃。 高い金属音、防がれた。 「布津御魂と熱による二つの障害、相変わらずの悪趣味。」 「余計なお世話だ。」 鍔競り合いを避け、距離を取る。その瞬間に、何かが恐るべきスピードで、俺の顔のすぐ横を通り過ぎた。同時に何かが倒れる音。 振り返ると、そこには男が倒れていた。胸には赤い血を固めて作り上げた槍が突き刺さっている。 手に握られているのは妖刀。 「・・・なんのつもりだ?」 「殺し合いの邪魔をされたくないだけだ。例え俺の道具でもな。 いいか、お前を殺すのは俺だ。この混沌の魔術師が、お前を殺すんだっ!!」 そこに込められたのは強烈な憎悪。 カオスは止まらない。 俺を殺すまで、この狂気は止まらない。
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