第九幕 鮮血乱舞

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琴葉side ゆっくりと、男は倒れていく。胸から血を吹き出しながら倒れるその姿は、何故か恐かった。 「我は支配の紋を紡ぐ・・・封印。」 男の握る刀が光に包まれる。あまりにも現実感のない光景は・・・ 「琴葉ちゃん、無事?」 あまりに呑気なダリアさんの声で、現実に戻された。その手に握られた拳銃からは煙が出ていた。 何度も会った事のあるダリアさんが、恐く感じた。 「ちょっと琴葉ちゃん、大丈夫なのっ!?顔が真っ青・・・そっか、当然だよね。」 何を思ったのか、ダリアさんは私を抱き締めて、背中を軽く叩く。 なんだか落ち着いてきた。 「ごめん、人が死ぬところなんて初めてだったよね。 大丈夫。もう大丈夫だから。」 あぁ、そうか。私は初めて人が殺される場面に遭遇して、怯えていたのか。 言われるまで気付かないなんて、かなり動転していたのかもしれない。 「でっ、でも、何で学校にいるの?」 「それなんだけど、かなり重要な事が分かったから早い内に連絡しようと思って忍び込んだのよ。 ほらほら、ちゃんと制服だよ♪」 言われて見れば、今日のダリアさんはゴスロリではなく、学校の制服姿だ。 年齢聞いたら、多分怒られるな。 「で、いざ忍び込んだら結界張られるし、琴葉ちゃんは襲われてるしで大変だったよ。しかもこれ妖刀だし、本来の仕事の一つは解決しちゃった♪」 そういえば、ダリアさんの本来の役目は妖刀を回収する事だった。 「とりあえず優と合流したいけど・・・・そうはさせてくれないか。」 いつの間にか、廊下の向こうにスピアが立っていた。もはや二人一緒に逃げるのは困難だろう。 「魔術協会が誇る執行官ダリア、か。出来るならお相手願えないかな、願えないかなぁ?」 「槍の錬金術師が相手とは、面倒ね。 だけど、ダンスの相手が欲しいのも正直な話なのよね。 いいわ。アナタの自慢の槍、私の銃で撃ち砕いてあげる。」 槍と弾丸が、同時に飛び交う。
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