第十幕 砕けぬ槍

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「必中、それは既に放った時に当たる事が確定しているという事だ。」 ダリアさんを殺したスピアは機嫌がいいのか、笑顔で説明している。 しかし、私の耳には入っていない。 「つまり、放った時に既に『貫く』という結果を作っているんだ。それが真の必中というわけだ。 例え弾丸で軌道をズラそうが、叩き落とそうが、それは途中経過であって、結果じゃない。 因果の操作。それこそがグングニルの本当の素晴らしさだよ。」 スピアの説明は、なんとなくだけど理解出来た。でも私はそれよりも不思議に思う事があった。 何で・・・ ダリアさんは・・・ 「なるほど、そんな反則じみた魔術の行使をしていたのか。それなら必中というのも頷けるね。」 何で・・・ ダリアさんは・・・ スピアの後ろで笑っているの?
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