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銃口が、スピアの頭に向けられる。確実にスピアを殺せる距離と位置で、しくじる事はないだろう。
「なっ・・・何故生きている。確かにお前の胸を貫いたはずたぞっ!!」
スピアの狼狽はもっともだ。確かに私も貫かれるダリアさんを見たのだ。
しかしダリアさんは・・・
「・・・・・・変わり身の術♪」
絶対ウソだ。
「まぁ私が生き延びた理由なんて今は問題ないの。それより自分の心配したら?」
「お前はっ・・・いや、誰だ?お前は一体誰なんだっ!?」
何かに気付いたのか、スピアが狼狽えている。どうしたんだろう?
「私は私、単一ではないけれど、ここにいるのは間違いなく私、ダリアだよ。」
「単一・・・くっ、なるほど、納得した。納得出来たよ。くだらない、そんなくだらないタネがあったのか。」
「最後に、遺言とかはある?」
「・・・地獄に落ちろ、ホムンクルス。」
「その提案は・・・」
銃声が響く。
崩れ落ちるスピアの体を見下ろすダリアさんの目は、冷たかった。
「却下。」
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