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「琴葉、そろそろ気付いてくれないか?」
顔のすぐ横から、聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
「・・・フツノさん?」
「ふむ、まだ魂は呑まれていないな。無事で何よりだ。」
いや、体が重傷なんだけど?そしてそれ以上に気になってるのが・・・
「その、何で手のひらサイズなの?」
やたらと体の小さくなったフツノさんが、肩の上に乗っていた。相変わらず偉そうな態度だった。
「今朝、主から御守りを受け取ったであろう?あれには我が身の一部が込められているのだ。いざという時に備えた物だが、結果としては幸運だった?」
なるほど、今朝の御守りにはキチンと意味があったのか。ある意味神社で売っているやつよりは効果がありそうだ。
「しかしなるほど、ここがヒルコの中か。これは存外、悪い展開ではないかもしれん。神とて急所はあるやもしれん。」
探せと?
あれ?そういえば・・・
「何で私ってこんな状態で生きてるの?」
「詳しい理由は解らぬが、おそらくヒルコの影響だろう。」
なんだか不思議な話だ。
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