第十二幕 崩壊幻想

6/8
前へ
/108ページ
次へ
「御大層な目的だな、カオスよ。人の身で神の力を欲してどうするのだ? まさか、この世界の王に君臨したいなど、微塵も思っていないのであろう?」 「あぁ、そんなものには興味ないな。俺はブラックを殺したいだけだ。」 喜悦に歪んだカオスに、私は叫んでいた。 「何で、どうして優くんをそこまで、苦しめようとするのっ!? 優くんがアナタに何をしたっていうの?」 「黙れ・・・」 「聞いた話だけど、昔は優くんとライバルみたいな関係だったんでしょう? 成績で首位を争った仲なんでしょう? なら、もしかしたら、友達にだってなれたかもしれないじゃないっ!!」 「黙れっ!!君に何が解る、何が解るというんだっ!! 首位を争った?そんなのは何も知らない奴の戯言だ。奴は、ブラックは一度も本気なんて出してない。周囲に互角と思わせる程度にやっていただけだっ!!」 ・・・本気を、出してない? 「解るか、俺がどれだけ惨めだったか。お前に解るかっ!!」 それが理由。 この事件の原因。 だけど・・・ 「そんなの、くだらないよっ!!」 そんなのは、許せない。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

903人が本棚に入れています
本棚に追加