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目が覚めた。俺を守るように槍を振るうダリアが、血だらけになっていた。
「優、琴葉ちゃんが・・・」
「知ってる。」
さっきのあれが夢じゃない事は、ちゃんと理解している。でもだからこそ・・・
「これは・・・私達の敗北ね。残念だけど一度、態勢を立て直して・・・」
「もう一度、建御雷神の力を使う。」
その言葉に、ダリアは意外そうな顔をしている。気持ちは分かる。多分逆の立場なら俺もこんな顔をするだろう。
「・・・正気?」
「琴葉を助ける。その為に、建御雷神の力が必要だ。
守ると約束した。だから助ける。」
フツノを構える。全力を出す以上、フツノを本来の姿にしないといけない。
「・・・・・・ヤレヤレ、相変わらず頑固なんだから。駄目って言葉も無理よね?
いい?絶対に生きて帰ってきなさい。相討ちなんて認めないんだから。」
最初から、そのつもりだ。
ヒルコを見据え、息を整える。
さぁ、混沌の魔術師よ。
決着をつけよう。
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