第十三幕 黒の魔術師

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目が覚めた。俺を守るように槍を振るうダリアが、血だらけになっていた。 「優、琴葉ちゃんが・・・」 「知ってる。」 さっきのあれが夢じゃない事は、ちゃんと理解している。でもだからこそ・・・ 「これは・・・私達の敗北ね。残念だけど一度、態勢を立て直して・・・」 「もう一度、建御雷神の力を使う。」 その言葉に、ダリアは意外そうな顔をしている。気持ちは分かる。多分逆の立場なら俺もこんな顔をするだろう。 「・・・正気?」 「琴葉を助ける。その為に、建御雷神の力が必要だ。 守ると約束した。だから助ける。」 フツノを構える。全力を出す以上、フツノを本来の姿にしないといけない。 「・・・・・・ヤレヤレ、相変わらず頑固なんだから。駄目って言葉も無理よね? いい?絶対に生きて帰ってきなさい。相討ちなんて認めないんだから。」 最初から、そのつもりだ。 ヒルコを見据え、息を整える。 さぁ、混沌の魔術師よ。 決着をつけよう。
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