黒の魔術師

第十三幕 黒の魔術師

フツノの本来の姿は、野太刀じゃない。
十握剣、柄の長い長刀だ。建御雷神の力を使って柄を強く引けばその長さに達する。

『主よ・・・』

体に纏うのは雷、やがて刀身すらも雷に包まれていく。そこにあるのは、確かな安堵感だった。

『我は何時如何なる時も・・・』

黒と雷を身に纏い、

長刀を携えるその身は、

若き魔術騎士。

『主の傍らに或る。』

彼の名乗るべき名は・・・

「黒の魔術師、藤原優。推して参る。」