第十三幕 黒の魔術師

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駆け出すと同時に放たれるフランベルジュは、俺の顔を狙って飛ぶ。とっさに身に纏う雷で弾くが、失敗した。一本が肩を貫く。問題ない。 続く剣は胴体を狙う。横に避けて更に加速する。雷による防御が難しいなら、手段は限られる。 今度は全身を狙われる。全方位からの剣の弾幕は、回避出来ない。そして、その中をカオスが駆けてくる。 (多分これが・・・) フツノを振る。前だけに道を作り出し、こちらからカオスに接近する。 「藤原優っ!!」 必殺の威力を込めた一撃を、かなり無理な態勢で回避した。 本来なら、これで詰みだ。次の瞬間には俺はカオスに斬り刻まれて終わりだ。 だが、しかし・・・ それはあくまで『普通の戦い』だ。お互いに魔術師、それも称号を持つ者には『普通の戦い』は有り得ない。 「布津御魂、往くぞ。 ヒルベルト・フランベルジュを斬るっ!!」 次の瞬間には、フツノの刃がカオスの体を斬り裂いていた。
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