第十四幕 ここから

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琴葉が目を覚ましたのは、病院の個室の中だった。何故ここにいるのか分からない。 「・・・優くん?」 こんな時、あの魔術師なら簡単に説明してくれそうだが、その姿は何処にもない。 大切な事を思い出して、琴葉は着ているパジャマをめくりあげ、体を確認する。そこには傷一つない体があった。 (今までのは・・・夢、だったの?) あれほどの傷が完治、傷跡すら残さないなんて有り得ない。しかし現に、琴葉の体は無傷。いや、むしろ活力に溢れていた。 「ようやく起きた?」 突然ダリアが入ってきた。白を基本とした病室に、黒のゴスロリドレスはかなり目立っていた。 「ダリアさん、優くんは?それにヒルコはどうなったんですか?」 「うん、今説明するから落ち着いてね。それと、怒らないでね。」 病室に置かれた椅子に腰を下ろし、ダリアは説明を始めた。 「まず最初にヒルコだけど、あれは優が滅ぼしたわ。もっともあれは、ヒルコ本体から離れた力の一部だからなんとか出来たんだけど・・・」 「あれで、一部なの・・・?」 「仮にも神様だからね。しぶとさなら最強だよ?」
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