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オリジンの父親。
最も尊敬する人物であり、最も畏れている人物。
子供の頃から優しく、そして厳格な父親だった。
貴族としての誇りを重んじ、正義の下に進む。
そんな立派な父は、オリジンの憧れだった。
だが父は、息子の学力が芳(かんば)しくない事に悩んでいた。
そしてあきらめにも近い感情を抱いていた事も、オリジンは何となく気付いていた。
気付かない振りをして、自分に嘘をついていた。
本当は、それがすごく悔しかったのに。
しかもオリジンの姉は、天才だった。
おかげでいつも姉と比較され、そのデキの違いに落胆している親の心を感じていた。
「お姉ちゃんは、こんな事簡単にできたんだよ?」
そんな母の台詞に何度傷つけられたか、わからない。
何度悔しい思いをしたか、わからない。
父親に認めてもらいたい。
オリジンはただ、そう願っていた。
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