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「さて、そろそろ戻るかな……」
起き上がり、屋敷の方に視線を向ける。
今頃ツバキは、逃げ出した僕様を探しているのだろう。
そう思った。
オリジンは一歩前に踏み出した。
ぞくり。
しかしそこで、背後に気配を感じる。
――視線というよりは、殺気に近い。
びりびりと、背中に衝撃が走る。
オリジンは急いで上半身を回し、後ろを向いた。
「なっ……あんた、誰だぜ?」
そこにいたのは、見知らぬ男だった。
ぼろぼろの衣服から、筋肉の鎧に包まれた腕がのぞく。
そしてその手には、無骨なナイフが握られていた。
男は無口のまま、オリジンを観察している。
「ていうか、おまえ、どうやってここに入っただぜ!?」
確か門番が何人もいたはずだ。
この庭園は、部外者がおいそれと入れるような場所ではないのだ。
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