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「あ、そうだ!」
思い出したように、急にオリジンは声を上げる。
「どうしたんですか?」
訝(いぶか)しそうな表情を浮かべるツバキ。
そんな事には意も介さず、オリジンは机の引き出しから、銀色のネックレスを取り出した。
「これは?」
そのネックレスを受け取るツバキは、不思議そうに首をかしげる。
「ツバキ先生、この屋敷に来てから五年経つだぜ。だからその記念のプレゼント」
オリジンはにっこりと、人懐こそうに笑う。
「……そう、ありがとう。本当に嬉しいです」
微笑みを浮かべた表情は、満足そうだった。
そのプレゼントが本当に、感動するほど嬉しかったのだ。
「じゃあ、今日の勉強は終わりにしてくれだぜ」
「いけません。それとこれとは話が別です」
「ちぇー」
オリジンは悔しそうに、くちびるをつぼめるのだった。
そんなオリジンを愛しそうに見つめながら、自分のこれまでについて考えた。
――そうか、もう五年も経つのですね。
ツバキは懐かしむように、部屋の中をぼんやり眺めていた。
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