1章~貴族の子~

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  「わーかーらーなーいーだぜー」 相変わらずその部屋では、そんな声が漏れるのだった。 しかしツバキの厳しい視線が飛び、嫌々にでも勉強をするしかない。 「いいですか、ぼっちゃん。あなたは貴族の一員なのです。全ての民の見本になり、家を支えなければなりません」 そんな説教も、相変わらず続く。 繰り返し、移り変わりもせずに。 しかしオリジンは彼女の隙を見て、部屋を抜け出してしまった。 「あ、ぼっちゃん、待って下さい!」 しかしその声は虚しく響くだけで、彼は走ってどこかに行ってしまった。  はぁ、一体どうしたら分かってくれるのでしょう?  いつになったら、ご主人や私の期待に応えてくれるのでしょう? そんな思いを心に浮かべると、ただただため息がこぼれるばかりだった。 .
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