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「うわ…眩しい……」
病室の窓を開けた僕は、空を見上げた。
初夏の雲は高く、空は絵具を垂らしたように清々しい青だ。
少し汗をかいた額に風が心地よい。
夏の訪れとともに花を落とした草木も瑞々(みずみず)しい葉を生い茂らせ、右に左に揺られている。
20XX年6月某日、僕は病室で目を覚ました。
白い天井、小さなテレビ、さっき開けた窓には若草色のカーテンが纏められ、薄いレースが風にはためいている。
8畳ほどの部屋には、先程まで僕が寝ていた茶色い長椅子があり、その横にはちょっとした木棚が、その上には硝子(ガラス)細工の花瓶だけが淋しく置いてある。
そういえば昨日古くなった花を棄ててしまったんだっけ。後で採ってこなければ。
そんな風に考えながら、花瓶が置いてある木棚に近付く。
木棚の隣にあるのは、鉄パイプ製のベッド。病院らしくすべて白で統一されている。
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