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それから、真樹は"ef"によく足を運ぶようになった。呑みにいくというより、聖二に会いにいくと言った方がいいだろう。
話せば話すほど、彼の存在は大きくなっていく。
真樹にとって、聖二が話を聞いてくれることが何よりの安らぎであり、また"ef"で過ごす時間が、世間から解放され、まるで心を洗い流すかのような穏やかな時間になっていた。
そのうち常連の客とも顔馴染みになり、行くにつれ、
「真樹ちゃん、お疲れ。今日も残業かい?大変だねぇ。」
などと声を掛けてくれるようになった。それもまた"ef"の居心地のよさだった。
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