~それから~

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{2} 俺がフミと付き合いだして、一ヶ月が経った… ある月曜日の昼。 俺は、今は亡き親父の墓参りをしに郊外の墓地まで一人で、やって来た。 今日、フミは仕事だ。 そして、今日… 俺は、これから就職の面接を受けに行く…。 俺は、面接を前に急に親父の墓参りがしたくなって、ここに立ち寄ったという訳。 俺は、親父の墓に花束をそなえて、線香をあげ、手を合わせた。 「親父…。 俺、やっと、マトモな人生を歩めそうだよ。捨て子の俺を拾ってくれて一生懸命、育ててくれて、ありがとな…。俺にスリを仕込んだりして『変わった』親父だったけど…俺にとっては、それでも『立派な』親父だよ…」 考えてみれば… 俺の人生、今まで… いろんな事が有った。 幼い時は、 「捨て子!捨て子!」 と、いじめられて。 中卒でガソリンスタンドで働き始めて。 で、親父がスリで捕まって刑務所に入れられて。 残された俺は、遊ぶ金欲しさにスリやって。 で、俺もスリで捕まって刑務所に入れられて。 正直、俺は自分の『境遇』を恨んだ事も有った。 俺は… いつも『何か』のせいにして… いつも『誰か』のせいにして… 生きてきた。 実は、 何度も衝動的に自殺を考えた事だって有ったんだ。 こんな人生… 生きてたって良い事なんて一つも無いんじゃないか… なんて、考えて。 でも… まともに生きていれば… 江戸村さんや小竹先生みたいな優しい人達と出会う事だって… マリモさんやツナオみたいな素敵なカップルと出会う事だって… (第一、自殺を考えていたこの俺が…B湖畔公園で自殺しようとしてた小泉春枝って女の人の自殺を引き止める事になるとはね) そして… フミみたいな 優しくて素敵な女性にだって… 一生懸命に生きてれば、 出会えるもんなんだな。
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