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「親父…。俺さ。最近、こう思うんだ」
俺は再び、親父に話しかけた。
「人生って、何て素晴らしいんだろ!ってね!」
そう!!
山有り谷有りだからこそ、人生なんだ!
いろいろ有るから、人生なんだ!
『まっ平ら』で何も無い人生なんて絶対有り得ないし、もしそんな人生が有ったとしたら、カナリ『つまらない』じゃないか!
「俺…就職活動、頑張るからさ!そして、フミを絶対、幸せにするからさ!これからも見守っててくれよ!親父!!」
俺は、親父の墓に手を合わせながら、そう語りかけた。
「あ、いけね!面接に遅れちまう!じゃあな!今度は、フミも連れて来るよ!それまで、待っててくれよ!!」
俺は、親父の墓に軽く手を振った。
「あ、そうだ!親父。
一つ…聞いても良いかい?俺が『小竹心理クリニック』でフミと再会できた事…どうも、今でも『出来過ぎ』の様な気がしてならないんだけど…
やっぱり、親父が会わせてくれたのかい?」
と…
その時。
親父の墓にそなえた花束が…
優しく風に揺れた。
俺の質問に…
うなずくかの…
様に………。
~おしまい~
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