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「う、ぐぁ…貴様が、あの殺し屋……」
彼がナイフを引き抜くと、その人は苦しそうに呻いて崩れ落ちた。
何だか人の死に慣れてしまった自分が嫌だ。
「やぁ、鵜飼さん」
彼は物陰に隠れていた私に気付いても(最初から気付いているだろうけど)慌てる素振り一つしない。
分かっているんだ。
私が彼の『秘密』を絶対に秘密にしておく事を。
分かっているんだ。
私が彼の秘密を勝手に二人の『秘密』にしている事を。
分かっているんだ。
私が彼との『秘密』に……酔いしれている事を。
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