白の騎士キアロ(最初の日)

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豊かな実りと平和に満たされた、とある王国。 城での爵位授与に招かれた若い騎士サー・キアロは早馬を駆って、王国の郊外にある"精霊の森"を目指した。   昔から敵が多かった国とはいえ、城下街全体を巻き込むほどの呪いをかけられた事は初めてだ。 王城は国王補佐の宰相が常に張っている防護の魔法の恩恵で難を逃れたが、城外に居合わせた者達は悪い魔法使いの呪いによって、身体も時間も石にされてしまっていた。   偶然にも城にいたたった一人の騎士キアロは、防護の魔法を切らすわけにはいかない宰相に代わって、森に住まう精霊の知恵を借りに行くところだった。 石化した人々の命が失われてしまうまでの七日の間に、呪いを解く方法を見付けるのが使命だ。
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