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「私、そろそろ寝ますね。」
ガサガサとゴミをまとめだす萌。
瞳は動けないでいた。
自分から離れる事を決意したのに、相手から離れられると引き止めたくなったのだ。
我が儘なのは分かってる。
彼女を1人にさせるのだから、このまま距離を放す方が彼女の為だということも。
でも瞳にはそれが出来なかった。
遠ざかっていく彼女を追いかけ、掴み、引き寄せたのだ。
突然抱き付いた為、萌は瞳に押し倒されるような形で倒れた。
「えぇ?ひ、瞳さん?」
珍しく慌てる萌に、つい優越感から笑みがこぼれた。
彼女にこんな顔をさせれる人間が、他に何人いるだろうかと。
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