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「史乃さんの事・・本当に良かったの?」
まだ頭を撫でながら聞いてみた。
だって彼女が出て行けば、その後には自分達も。
「いいんですよ。2度と会えなくなるわけでは、ないんですから。瞳さんも・・たまには会いに来てください。」
頭を撫でていた瞳の手を両手で包み込むように降ろし、ぽんぽんと叩いた。
「もう大丈夫ですから。あんまり優しくしないでください。なくなった後、淋しくなってしまうので。」
はっと瞳は気付いた。
すでに萌は別れの準備をしているのだと。
近すぎていた距離を、離れようとしているのだと。
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