st.12 新年

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「史乃さんの事・・本当に良かったの?」 まだ頭を撫でながら聞いてみた。 だって彼女が出て行けば、その後には自分達も。 「いいんですよ。2度と会えなくなるわけでは、ないんですから。瞳さんも・・たまには会いに来てください。」 頭を撫でていた瞳の手を両手で包み込むように降ろし、ぽんぽんと叩いた。 「もう大丈夫ですから。あんまり優しくしないでください。なくなった後、淋しくなってしまうので。」 はっと瞳は気付いた。 すでに萌は別れの準備をしているのだと。 近すぎていた距離を、離れようとしているのだと。
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