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ギィ……
軋んだ音をたてて、ゆっくりと開く。
中の様子が見える……
部屋は四畳ほどのフローリング。
本棚と机、ベッドなど生活に必要なもの以外置いていないシンプルですっきりとした部屋だった。
カーテンが閉められてうるせいで、部屋は薄暗い。
ずっと換気もされていなかったので空気がどこか埃っぽく感じた。
床も、埃で白っぽくなっている。
悠奈は本棚の近くに本が一冊床に落ちているのに気がついた。
恐らく、さっきの音はこの本が落ちた音だろう。
心霊現象の原因を解明したとたん、恐怖心はすぅっと治まった。
なんだか、あんなに怖がっていたのが馬鹿馬鹿しくなる。
悠奈は立ち上がり、父の部屋に入った。
一歩、歩くごとに、足跡がつく。
それを見た悠奈は、
(………汚い。
絶対、靴下真っ黒だよ……。
明日、掃除しよう)
と、主婦のように考えていた。
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