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沖田は悠奈が嫌がっていることがわかって少し困ったように苦笑いをした。
「稽古しょうと言っているのは、万が一の時のため対処できるようにと思っているからなんですよ」
と、まるで駄々をこねる子供を諭すような優しい調子で沖田は話し出す。
悠奈は沖田が言いたいことがいまいちよくわからず、首を傾げていた。
「悠奈君、君は自分の容姿がどんなものか知っていますか?」
「へ?」
沖田の突然の言葉に悠奈は驚いて間抜けな声をだしてしまった。
(自分の容姿がどんなんだって急に言われても、なんて言ったらいいのかわかんないよぉ……)
悠奈は返答に困ってしまって、悩んでいる。
悩んだ挙げ句出した答えは、
「お……女…っぽい……」
と、常日頃思っていることを言った。
言うと同時に悠奈は情けない気分に支配され、また落ち込んでしまった。
だが、沖田はため息をついて、
「あまり自覚されていないみたいですね、君の容姿は女っぽいの一言では片付けられませんよ……」
と、少し呆れたように言った。
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