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(いえ……多分基礎すらできてません……)
と悠奈が言おうとした矢先、
「悠奈君は綺麗な手をしていますし、普段剣術をやっていないと思いますよ」
と、代わりに沖田が代弁してくれた。
その言葉に永倉が悠奈を見て、悠奈自身は自分の手のひらをじっと見つめた。
見ると同時に
(綺麗なのかな……?)
と思ってしまう。
悠奈の手は、男にしてはほっそりとしている。
おまけに全然日焼けをしていない。
これだけを見れば綺麗な手をしていると思うが悠奈の手は少し荒れていた。
元々肌はあまり強くないらしく、少し洗い物をしただけでもすぐに荒れてしまうからだ。
「だったら俺が基礎を教えようか?」
と、永倉が突然悠奈にそう言った。
まさか永倉からも稽古を教えてやると言われると思わなかった悠奈は驚いて自分の手から目を離して永倉をじっと見た。
しかし、
「駄目です」
と、永倉の隣から否定の声があがる。
そう言ったのは沖田で、二人が彼の方を見ると沖田は、不機嫌そうに頬を膨らませていた。
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