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沖田に連行される形で悠奈と永倉は再び道場にやってきた。
道場からはまだ激しい打ち合いの音や掛け声が聞こえる。
沖田が扉を開けようとした時、
「あの……沖田さん……。
僕……外で…待ってていい……ですか?」
恐る恐る悠奈が尋ねた。
悠奈の表情は嫌そうな顔をしている。
道場の中に入るのが本当に嫌らしい。
沖田も嫌な相手を無理矢理中に入れるほど鬼ではなかったので、ニッコリと優しく微笑んで、
「わかりました。
悠奈君は外で待っててください」
と言うと、まだ掴んでいた二人の着物の袖を離す。
悠奈はほっと安心して、日が当たらない場所に移動した。
「じゃあ、行きますか」
沖田と永倉は道場の中に入っていった。
道場内は、隊士たちが激しい打ち合いをしていた。
しかし、沖田と永倉が入ってきたことでみんな動きを止めてこっちを見た。
「皆さん、気にせずに続けて下さい♪」
沖田が爽やかな笑顔でそう言うと、隊士たちは再び打ち合いを始める。
中には頬を赤らませた隊士もいたのだが、隊士たちは皆防具を身に付けていたので、誰も気づいた人はいなかった。
「斎藤さんはどこでしょうか」
沖田は首を巡らして斎藤を探す。
そして、すぐに一人だけ防具を身に付けていない人物を見つけた。
それが斎藤だった。
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