臆病者

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「この奥行きだったら、 この本普通に入るはずだけど……」 この本棚の奥行きは、 今持っている本が縦に二冊はいりような大きさだった。 見ただけでわかる。 (……文庫本の後ろにまだ本があるのかなぁ?) 悠奈は、新撰組の本を近くにあった机の上に置いて、 文庫本を四、五冊いっぺんに取り出す。 「……なんだろう……。 本じゃないよね……」 後ろにあったのは、 細長い木の箱のようなものだった。 悠奈は、今、持っている本を床に置いて、 木の箱の取りだしにかかる。 本を半分と少し取り出したところで、 箱の全体が見えた。 悠奈は、箱を取り出す。 (ちょっと重いかも……) 中身が割れ物の可能性も考えて、そっと床に置く。 さすがに本棚の奥にあったものなので、 あまり埃は被ってない。 悠奈は箱に手をかけて、 開けたーー 「………手紙と……棒?……杖?」 中に入っていたのは、 宛名が書いてある手紙らしき紙と、 少し黄ばんだ袋のようなものに入っている棒らしきもの。 ,
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