稽古

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「…あの…わからないことがあるんですけど…女中って…何なんすか?」 悠奈は会話が途切れたのでふと、わからないことをふねに聞いた。 聞いたのはただ知らないからという理由でしかない。 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥ともいうし、ずっと知ったかぶりしているよりは、わからないことは素直に聞いたほうがいいと悠奈は判断したのだ。 しかし、悠奈がわからなくて聞いた女中というのはこの時代では常識的なことだったらしく、 ふねはなんでこの子はこんな常識的なこと知らないの?と言いたげな顔をしたが、すぐに人の良さそうな笑顔になって、 「女中というのは、他人の家などで炊事や掃除などの仕事をする女の人のことよ」 と、とても丁寧に説明をしてくれた。 (……それって、家政婦さんみたいなものなのかな……?) 悠奈は自分が知ってる女中に近い職業を思い浮かべて納得した。 (炊事と掃除かぁ……。 僕、そっちの方が好きだなぁ) 家事をやることがわりと好きな悠奈は女中という仕事は楽しそうだなぁ、と思った。 ,
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