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悠奈とふねがそんな風に談笑している時、沖田と永倉、斎藤が道場から出てきた。
悠奈は丁度、道場の出入口の近くにある木の影で涼んでいたので、三人は出てすぐに悠奈を見つけることができた。
悠奈を見つけた沖田は、すぐさま、
「悠奈君~~♪」
と、可愛らしく悠奈を呼び掛ける。
悠奈は自分の名前を呼ばれたので、ふねとの会話を一時中断して、声がした方を見た。
悠奈が見たのは、普通に歩いてこっちに近づいてくる永倉と斎藤と右手をブンブンと振って近づいてくる沖田の姿だった。
「お待たせしました。悠奈君。
おふねさんもこんにちは」
沖田はニッコリと爽やかに微笑んだ。
「こんにちは、沖田さん。永倉さん、斎藤さん。
稽古の指導をしてきたのかい?
お疲れ様」
普通の女性なら沖田の微笑みにノックアウト状態になるのかもしれなかったがふねはそういうのはあまり気にしないタイプだったらしく、顔を赤らめることもなく普段の調子で返す。
「ええ。ビシビシ指導をしてきましたよ」
沖田は‘ビシビシ’の部分を強調をして言った。
〈いや……総司は指導をしてないだろう……〉
永倉が口で言うと沖田に何をされるのかわからないので心の中でツッコミを入れて苦笑いを浮かべた。
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