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目をウルウルさせた永倉に斎藤は引いた。
気持ちが悪かったらしい。
「そうですか。
近くにいる斎藤さんが言ってないと言ったのですから、どうやら私の気のせいでしたね。
すみません、永倉さん」
沖田は、斎藤と永倉の様子を面白そうに眺めながら言った。
〈ーーた、助かったぁ…〉
永倉は安堵の息をついて、気にしなくていいと首を横に振る。
そして、
〈総司は怒らすと怖いからなぁ。
でも、何で俺が思っていることがバレたんだろう……〉
と、永倉は考える。
沖田が永倉が考えていることがわかった理由は簡単だ。
永倉は考えていることがすぐに表情に出る。
沖田は彼の表情を見て、何を考えていたか読み取っていたのだ。
「あっ、忘れてました。
おふねさん、
私たち昼は外で食べて行くんです。
ですから、私たちのお昼ご飯は不要です」
沖田は思いだしたように、ふねに言った。
「はいよ。
誰の分がいらないんだい?」
「私と悠奈君、斎藤さんと永倉さんの四人分ですね」
沖田は右手で指を折って数えながら言った。
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