臆病者

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悠奈は頑張って文字の解読をしてみるが、 無駄だった。 「……勝山先生だったら読めるかな?」 勝山先生は悠奈のクラスの古典の教師だ。 60歳くらいの非常勤の教師で、 教え方が上手、 たまに話す雑談も面白く、性格もいいため生徒の人気も高い。 (先生なら読めるような気がする…… 今度の授業があったとき、見せよう) 悠奈は手紙を綺麗に折り畳み、そっと床に置いた。 そして、箱の中に入っている棒らしきものが入っている袋を取り出す。 棒にしてはずしりと重く、悠奈は首を傾げた。 「本当になんだろうこれ……」 わからなければ、 見てみればいいかと思って、 口を縛っている袋の紐をほどきにかかる。 「……うー、きつく縛ってあるなあ……」 少し苦戦して、なんとか綺麗にほどく。 「これって……」 中身を見て、 悠奈は呆気にとられる。 ,
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