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「悠奈君、そんなに少なくて大丈夫なのですか?
昨日から何も食べていないのでしょう?
それにあのお腹の音だと……プフフ……」
沖田は、悠奈のお腹が鳴るシーンを思い出したのか、口元を押さえて笑いを堪えていた。
悠奈も沖田の言葉でその事を思い出してしまい、こちらは恥ずかしさで頬が赤くなる。
悠奈は、恥ずかしさで顔を上げることが出来ずに俯いて、
「……ぼ、僕は……し…少食だから………」
と、ゴニョゴニョ言った。
永倉は、悠奈のその様子を見て、面白そうにニヤニヤ笑っていたが、斎藤は、無表情に見ていた。
しかし、
「沖田殿、神谷崎が困っている。
笑うのはもう止めた方がいい」
と、斎藤は沖田に注意をした。
沖田は、きょとんとして斎藤を見る。
相変わらず斎藤は無表情だったが、微かに眉をひそめていた。
そして、沖田は悠奈を見る。
彼は真っ赤な顔をして恥ずかしそうに俯いている。
<笑い過ぎましたね……>
と、悠奈の様子を見てそう感じた沖田は、頭部をカリカリと左手で掻いて、
「すみません、悠奈君」
と、謝った。
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