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「……プッ……フフフ……」
その様子が可笑しくて我慢していたのだが、悠奈は耐えられなくて笑ってしまった。
悠奈の笑う姿を見た、沖田はポカーンと間抜けに口を開けて呆然とし、普段は無表情の斎藤も驚きの表情を露にした。
笑われた張本人永倉に至っては、持っていた湯飲みを落としてしまう。
ゴトンと大きな音を立てて机の上に湯飲みが落ち、中身のお茶が派手に飛び散った。
そこで、悠奈は三人の様子が変なのに気づく。
固まっている三人を見た悠奈は、
(……えっ、どうしょう…笑うのやっぱりダメだった……?)
怒らせてしまったかな、と悠奈は考えたが、次に殺される悠奈は考えてしまい、顔色が一気に真っ青になってしまった。
悠奈がそんな考えになってしまったのは、平成にいた時にテレビで見た時代劇の影響だ。
どんな内容なのかは忘れてしまったが、その話の中に侍を怒らせてしまった町民が斬り殺されてしまうシーンがあった。
冷静に考えたら沖田たちが悠奈にそんなことをするはずはないのだが、怒らせてしまったと思った時、一番に浮かんだのがそのシーンだったので、悠奈はパニックになっていたのだ。
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