4559人が本棚に入れています
本棚に追加
「これって…………
日本刀………？」
悠奈は、呆然と呟いた。
袋から全部取りだし、
眺める。
柄は漆黒に近い色合い。
見たことがない紋所もそこについている。
鍔も漆黒で、見れば、
模様らしきものが彫ってある。
何なのかはさっぱりとわからないが、
素人の目でもすごいと思えるような見事な細工だ。
鞘はこれ以上ないほど漆黒に輝いていた。
カチリ…
悠奈は刀身を少し出す。
黒曜石のように漆黒の刀身だった。
刀を知らない悠奈でも見とれてしまうほどの美しさ。
でもなぜ、
「刀が家にあるんだろう……」
普通の家庭で刀が家にあるなんてことはほとんどない。
重さでこの刀はプラスチックではなく鉄でできている本物だとわかる。
これは許可を取っている刀なのかそれとも……
「違反して持っているか……そんなこと、ないか」
ｷﾝｯ
悠奈はあっさりと否定して、刀身をおさめた。
,
最初のコメントを投稿しよう！