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「悠奈君……」
「はいぃっ!」
沖田に声をかけられた悠奈は返事を返したものの、声は裏返っていた。
沖田はそんなことに構わず身を乗りだす。
しかし、悠奈が逃げようとしたので逃げられないように両手首をガシッと掴んだ。
沖田の手はあんなにも綺麗な顔をしているのに、大きくてタコがありゴツゴツとした感触があった。
柔な自分の手とは大違いだ。
悠奈は沖田に何をされるのかわからず緊張したが、沖田は悠奈にニコッと笑い、
「私たちの前で初めて笑いましたね!」
と、沖田はとても嬉しそうに言った。
「へ?」
予想とは違った沖田の言葉に悠奈は思わず変な声をあげてしまう。
(てっきり、怒られると思ったのに……)
と、悠奈が呆然としていると、
「ですが、あまり知らない人の前で笑わない方がいいかも知れませんねーー」
と、沖田が周りを見ながら言った。
悠奈もつられて周りを見て、驚いた。
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