臆病者

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ジリリリリリリ…… 早朝の浅い眠りを破ったのは、目覚まし時計の音だった。 「う~ん……」 神谷崎 悠奈(カミヤザキ ユウナ)はそろそろと時計に手を伸ばし、 カチリ、 と、スイッチを切る。 そして、再び心地よい夢の中に旅立って行った。 ……………………。 ………………。 ……………。 (……今日って何曜日だっけ?) 寝ぼけてはっきりとしない頭でぼんやりと考える。 (………木曜日だっけ? 違う……金曜日だ……学校がある日だ……学校? 遅刻するっ⁉) 悠奈はがばっとはね起きた。 しかし時計を見て、早くも諦めモードに入る。 時刻は8時20分。 家から学校まで自転車で40分。 ホームルームが始まるのは8時40分。 逆立ちしたって間に合わない。 (……間に合わないんだったらもう休もうかな。 ……学校に行きたくないし でも……無断で休んだりしたら、先生怒るかな……電話するのも……) ごちゃごちゃと考えているうちに刻々と時間は過ぎて行く。 ,
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