詮議

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「こんなことを言うのはなんだけど、 かなり話がずれてしまっていると思うのは私だけなのかな……」 近藤の隣に座っている優しい雰囲気の男が気まずそうに言う。 「……あっ……すまねえ、山南さん」 土方が総司の話しに乗ってしまったことを悔やみ、ガリガリと頭を掻く。 しかし、直ぐにいつもの鬼副長の土方に戻ると、悠奈をジロリと見る。 悠奈は気圧されて無意識にズザザッと襖のところまで後退りをしてしまった。 (ーーこ、怖い) 土方は悠奈の怖がりに深いため息をついた。 「ハァ……。 お前の持っているあの刀のことについて聞きたいのだが…」 〈そんなに俺は怖いのか……〉 表情にこそ表さないが、内心傷ついている土方。 「……ご、ごめんなさい……僕もあの刀については……よくわかりません……… 父が遺した物だということしか………」 悠奈は目を伏せて、寂しげな口調で言った。 「……遺した物ということは君の父親はー」 近藤がはっと気づいたように言った。 「……はい……亡くなり……ました」 「………っ!………すまない」 近藤は瞳に悲しみを滲ませ、苦しげに謝った。 悠奈は気にしないで、と力なく首を横に振る。 部屋の空気が一気に重苦しいものになってしまった。 ,
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