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「…………はぁ」
悠奈はがくりと肩を落とす。
(僕ってどうして……こんなんなんだろ……)
「………着替えよう……」
このままだとまた、いつまでも考えてしまう。
一旦考えるのを止めて、
テレビの電源を切り、
食べ終わった食器を流し台のところに入れる。
そして、足取り重くリビングを出ていった。
三年間制服を買い替えないでいいように、少し大きめの学ランを着替える。
のろのろと着替えていたので、いつの間にか10時を過ぎていた。
洗面所の鏡で、自分の顔を確認した悠奈はため息をつく。
綺麗に整った顔立ち。
加えて華奢な体つき。
そのせいか、女と言われても違和感がない。
美しいのに可愛く見えるのはまだ幼さが残っているせいだろう。
あと、数年経って身長が伸び、骨格もしっかりしてくれば幼さもなくなり、美男子になることは間違いない。
しかし、この顔立ちは幼いころからの悠奈の悩みである。
(こんな顔をしているせいで、どれほど苦労したことか……)
女に間違えられたことは数知れず……
モテるのだが、元々人見知りの激しい性格の上、鈍いので本人は気づいていない状態。
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