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「悪いな、神谷崎。
左之の馬鹿のせいで嫌なこと話させちまって」
青年はガリガリと頭を掻いている、
少し引きつった笑みを浮かべて、
必死にこの気まずくなってしまった空気を取り繕うように。
「…………あ………気にしなくて……だ、大……丈夫です………
寂しかった……というのは……なかっ……」
悠奈は小さな声で言っていたが途中で言葉を切ってしまう。
(父さんが死んでしまった時……、悲しかったけど、
寂しいということはなかった……
でも………今は………とても………寂しい……)
悠奈は自分の中にぽっかりと穴が空いてしまったような感じがした。
(……知り合いも誰もいない……。
家もない…。
ここに僕の居場所はない………)
「……寂しい……とても……」
悠奈の声は小さかったが、全員の耳にはっきりと聞こえた。
「……君には身寄りはいるのかい？」
今まで黙っていた近藤が口を開く。
悠奈は無言で首を左右に振った。
「それは不憫だ………もし君が嫌じゃなかったら、浪士組に住まないか？」
悠奈は驚いて近藤を見た。
そこには少し目を潤ませた近藤がいた。
「勝っちゃん!!」
透かさず土方が言葉を挟む。
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