詮議

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「今、頭を抱えているのが副長助勤の沖田総司だ」 山南と悠奈の挨拶を確認した近藤が紹介を進める。 「よろしくお願いしますね。悠奈君」 たんこぶができた頭を撫でながら沖田はにこりと子供のような笑みを浮かべて言った。 「よろしくお願いします……」 悠奈は礼儀正しく頭を下げる。 「総司の隣に座っているのがは「原田左之助。よろしくな!! 昨日のこと覚えてるか? 女と間違えて悪かったなぁ、ガハハハ」」 近藤の言葉を遮り原田が豪快に言う。 一応昨日のことを謝っているらしいが全然謝られた感がない。 「……慣れてますので……大丈夫です………」 悠奈は原田から視線を外してゴニョゴニョと言った。 「原田君の隣にいるのは永倉新八君だ」 近藤は原田に言葉を遮られたことを特に気にせず紹介を続ける。 さすがは歴史に名を残す局長。心が広い。 「よろしくな」 さっき原田を殴った小さい少年がいたずらっ子のような笑みをして言った。 「……よろしくお願いします……」 「山南君の隣は井上源三郎さん」 「よろしくな。神谷崎君」 井上と呼ばれた男は近藤よりも年上に見えた。 「……よろしくお願いします」 「源さんの隣の彼は斎藤一君」 悠奈が見た斎藤と呼ばれた男の第一印象は暗そうな人だった。 顔はカッコいいのだがなんだか暗い雰囲気が漂っている。 「…………」 斎藤は無言で頭を下げた。 悠奈もつられて無言で頭を下げる。 ,
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