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いきなり土方が叫んだので目を丸くする一同。
土方は荒い息をしながら沖田を睨んでいた。
「副長、梅の花がどうかしたんですか?」
原田が空気を読まずに土方に尋ねる。
「うるせぇっ!!
切腹させんぞゴルァ!!!!」
「ヒィッ」
土方はまさしく鬼のような形相で原田を怒鳴った。
哀れな原田は恐怖のあまり情けない悲鳴を上げる。
「土方さん。悠奈君と一緒の部屋にしてくれないと、豊玉さんのこと皆に言いふらしちゃいますよ♪」
沖田は子供のような無邪気な笑顔を浮かべながら、脅しみたいなことを言う。
(豊玉?
あれ、何か聞き覚えがあるような……)
悠奈は豊玉の名に記憶に引っ掛かるものがあり、首を傾げた。
(豊玉、豊玉……。何か最近聞いたような気がする……。
何だっけ?
う~ん……思い出せないなぁ……)
何かきっかけがあれば思い出すところまできている。
が、今一歩のところで思い出せないでいた。
何だかもどかしくって悠奈は頭をボリボリと掻く。
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