臆病者

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(……心霊現象……💧) 悠奈の顔から血の気が引いた。 「……いや、そんなことは……ないよね……💦 人生16年一度も幽霊なんか……」 必死に否定しているが、冷や汗だらだらで、ものすごく動揺している。 ゴトッ!! 「うわぁぁぁっ‼」 突然の音に悠奈は飛び上がった。 「………な、何?……」 完全に腰が抜けてしまった悠奈。 すでに涙目状態である。 このまま、無視して右の部屋に入れば、自分の部屋なのだが…… (怖い……。 でも、確かめないと……。 今日、眠れなくなっちゃう。 うぅ、怖いよぉ……) 「おばけなんていない。おばけなんていない。おばけなんていない……」 ぶつぶつと呪文のように呟きながら、 腰が立たないので、ずりずりと這いずって、 父の部屋に進む。 端から見れば、かなり情けない姿。 とても人には見せられない。 だが、ここには運がいいのか悪いのか悠奈しかいない。 やっと部屋の前にたどり着く。 ドアは少ししか開いてないので、中の様子はわからない。 悠奈は何度か深呼吸をして、 震える手で、 扉を開けたーー ,
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