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「あ…もうダメかな。」
君が腕の中で苦笑気味に呟いた。
重低音が心地よく響く。
「もう止まっちゃう?」
「うん。ちょっとやばい。」
せっかくお互い見つけたのに。
二人で悲しく笑い合えば
そこには愛しさで狂いそうな程
幸福に近く満ちた気持ちがある。
こんな素敵な感情初めてだね。
感情なんてロボットにはないとか
言われたらこんなの勘違いだけど
幸せな気がするよ。
「人間に生まれて
お前に会いたかった…」
君の優しい瞳が、
あぁ…やっぱり潤んで見える。
しっかりそれを湛えたまま、
やがて君は動かなくなった。
君が死んだ。
殺人ロボットとして
生産(うま)れた君が…。
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