暁スウィート

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「そりゃ人間楽しいこと ばっかじゃねーだろ」 読心術なのか俺が解りやすいのか 貴方は低いトーンで言った。 「ほんと…?」 「年上なんだから当然 俺だってそんな時期あった。」 「年上ったって大して 変わんないじゃんか…(笑)」 ちょっとだけ気持ちが楽になる。 瑠樺さん、貴方の力は偉大です。 「お前は優しくて明るい分、 裏じゃいろいろあるんだよな。 なんだかんだで大したワガママも 言わないしな…」 貴方の手の平が頭に触れる度に どんどん涙が滲む。 貴方の胸に顔を埋めたら Tシャツに俺の涙が染み込んだ。 「まぁこんなゾジー知ってんの 俺くらいだしな。 他の奴らに甘えろってのは 無理な話かもしれないけど。 俺のといる時くらい 休んだっていいんじゃねーの?」 うん、と頷いて鼻をすすった。
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