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「ありがと瑠樺さん…」
「おう…ってかお前…
これ涙?鼻水?つめてぇ(笑)」
「多分…鼻水…」
「うわっ汚ねぇ…っ(笑)」
焦った様に笑い出す貴方を見たら
自然と俺も笑顔になれる。
「瑠樺さん」
「なーに」
今度はちゃんと、
俺の言葉を待ってくれるんだね。
「俺、瑠樺さん大好き。」
くっくっと喉を鳴らして笑って
貴方は俺の額に軽く口付ける。
「知ってる」
煙草の匂いが鼻孔をくすぐって
それから貴方の香水が漂う。
俺がちゃんと前に進むまで
何度でもこうして下さい。
口には出さない、俺のワガママ。
カーテンの隙間から覗く
狭い空は黒を洗い流し、
すっかり暁色に輝いていた。
end
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