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父『鈴華…?鈴華?』
聞き慣れたパパの声が聞こえる。
(あ…)
その声に吸い寄せられる様に目を開けると、視界にボンヤリと、あたしを覗き込んでる顔が映った。
建設会社に勤めてる自慢の田端 誠也。鈴華のパパの顔が。
鈴『パパ…?』
あれ?
だけど、ここどこだろ?
見覚えのない白い天井。
今、何時?
ってゆーか、今っていつだっけ…?
混乱した頭の中でグルグルと考えている内に、視界の中のパパが、なんだかヘンに強ばった様な顔で言った父『鈴華、ここ、病院だよ。わかる?お前、ゲレンデでケガをしたんだよ』
鈴『ケガ…?』
父『お前1ヶ月ずっと眠ってたんだぞ、思い出せるか?鈴華は病院に運ばれて手術したんだよ』
鈴『……』
そういえば……?
頭のずっと奥のほうから少しずつ記憶が浮かびあがってくる。
あたし、優香里や奈緒子たちと一緒に、スキー旅行に遊びに行ってたんだよね。それで…亮くんに告って失恋したんだ…。
そこから先の記憶が、ブッツリと途切れてる。
(あ…っ‼)
鈴『パパ…みんなは?』
父『大丈夫だ。優香里ちゃんが発作おこして入院してるけど、他はみんな無事だよ』
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