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ピピピピピピ…ピッ
うるさい目覚まし時計の頭を叩いて黙らせる。
ドアのほうに目を向けると寝床にしてる大きめのクッションの上で、上半身を起こして、ラブラドールレトリーバーが、キラキラした黒い瞳であたしを見つめてた。
期待に満ちた、笑っているような顔をして
鈴『おはよう、ミルク❗』ワワッ‼
とたんにその顔が輝いて
<<待ってました❗>>とばかりに、ミルクは一目散にあたしのベッドに跳びのったハッハッハッハッ
うれしさに息を弾ませながら、朝の挨拶がわりに夢中で顔を舐めてくれるミルク鈴『あはは、くすぐったいよー』
毎朝毎朝
まるで久しぶりに逢えたみたいに、熱烈に喜んでくれるミルクが愛しい。
父『鈴華、起きてるか?朝ゴハンできてるぞ』
ドアの向こうでパパの声。鈴『はーい❗今、行く‼』その言葉を理解したようにミルクはベッドからヒラリと下りた。
あたしは腕の力だけで身体を引きずり、ベッドサイドの車椅子に手を伸ばす。
車椅子のタイヤの部分を掴んでズルズルと後ろ向きにシートに、お尻をのせ上に残された足を、片方ずつ手で持ち上げて下に下ろす。
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