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「鉛玉ならくれてやるぜ?」
プラグの後頭部に拳銃が突き付けられる。
彼は然も面倒そうに顔をしかめると、銃を向けている男を見た。
「これはこれはバグ先輩…。今日は取り巻きも無しでどう言った御用件で?」
挑発を込めた丁寧口調に、バグと呼ばれた男は口元をピクピクとさせている。
その様子が滑稽で、プラグは思わず吹き出した。
「昨日は良くもハメやがったな!」
「あの依頼は元々俺が受けたもんだろ?。‥あぁ~、先輩は人の依頼を奪わなきゃ食っていけない貧乏人な訳だ」
「廃品回収してるあんたが言いますか…」
タイプの突っ込みにプラグは「シャラプ」と苦笑する。
とても銃を突きつけられている人間とそれを見ている人間の会話では無い。
当然バグは顔を真っ赤にして怒り出し、引き金に指を掛ける。
「安全装置掛かったままだぞ」
プラグは口から出任せを言う。
嘘だと解っていたバグは「んな訳、」と言いつつ、一瞬目線を彼から外す。
しかし、それこそプラグが狙っていた事だった。
プラグはくわえていた煙草をバグの顔めがけて吐き捨てる。
バグは驚いて怯み、腕で視界を覆った。
プラグはその隙をついて銃を掴むと、掛かっていたバグの指ごとおかしな方向に向ける。
指は『バキッ!』と嫌な音を立てて折れ、バグは痛みに叫び声を上げながらうずくまった。
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